繊細がゆえの

古いうつわの中で《甘手(あまて)》と呼ばれる、全体に貫入(かんにゅう)が入っている物があります。
これは、焼成時における素地と釉薬との収縮率の違いから生じた物で、焼きが甘いので甘手といわれています。
個人的に、この“手”のうつわの持つ雰囲気が好きで、綺麗な状態のものがあったら、気づけば手にとっています。



ふわふわしてそうな、
繊細さでピッと張り詰めたような、
油断したら儚く消えそうな、
どれもが当てはまりそうで当てはまらない、なんともいえない不思議な雰囲気があります。



そんな《甘手》のうつわで、
淡い、ややくすんだパステルブルーの小皿。
日本製のデッドストックですが、雰囲気だけだとフランスの古い食器のようにも見えます。

(各¥1500)



使用等にはあまり問題ないですが、特に《甘手》の洋食器ものの場合、かなり繊細なつくりになっているものが多いので、扱いにはやや慎重さが必要です。


ガンガン使うには不向きなのですが、
繊細がゆえに醸し出す、独特な雰囲気はやっぱり捨てがたいものがあります。
うつわの印象自体は洋風ですが、
繊細さが、和菓子に絶対合うな〜と*